石川県金沢市の飲食店経営、お土産、工芸品は能加万菜グループ

ガラス作家、江本三紀

ガラス作家、江本三紀

ガラスと向き合った毎日

この道を選んだ理由は、能登島でガラス工芸について1年間習ったときは全然成長しなくて、1番悔しかったんです。 楽しんでいるけど、思った通りに形にならない。その、「なんでだろう?」が今でも継続してあるんです。陶芸や絵もやってきたけど、ガラスが1番できないものでもありました。 というのも高温なので直接手で形にできないこと。重力と遠心力をいかにコントロールできるかで形になってくること。 これが1年ではとても習得できませんでした。 ガラス作家、江本三紀

本当にいいものを大事にしたいという石川の風土に惹かれて

金沢へ来るのを選んだ理由は、愛知県出身の私は少しせっかちな性格なので、物事のスパンが長くて1ヶ月なんです。 すぐに結果を出さないといけない。合理的で結果重視な性格なんです。それと逆に金沢は1シーズンという中~長期的な考え方で「本当にいいものを大事にしたい」という気持ちが日常の中に溶け込んでいるように感じます。何がいいかを五感で理解している県民性だと思っていて、それが石川県を選んだ理由です。 ガラス作家、江本三紀

作品は日常の傍に

自分が生活している中で、こんなものがあったらいいな。でつくっているので食器類が多いです。 私の考えですが、作品に名前を入れません。色も無色透明が多いです。手元を離れてご主人のところにいったら、委ねる。あくまでも脇役でいたいと考えています。 器は、器だけでは完成ではなく、器に料理がはいることで完成します。 私が作った器を見て、こんな料理を入れたい等、妄想してもらえうような、無意識のところを刺激したいなと考えている。と同時にあまり緊張感を持たせたくないという思いもあります。もともとガラスは割れるもので素材的に緊張するものなので、あえて柔らかい印象で相手の方にどう使ってくれてもいいよっていう思いで作ってます。 ガラス作家、江本三紀

名入れをしないというこだわり

ガラスは何工程も磨きあげていくんですが、そこに何故、傷をつけないといけないんだろう?という素朴な疑問からなのもあります。純粋にガラスの美しさを楽しんでもらいたい。私の中では名前を入れることで、邪魔になることもあるし、見たくない方もいる。 光の屈折の妨げにしたくないんです。 ちなみに磨きの作業は全て手作業で、器の大きさにもよりますが、1個あたり10分から15分を少なくても5段階かけて磨いていきます。 ガラス作家、江本三紀

能加万菜の作品について

最近は、オリジナルを作って欲しいという依頼が増えてきて、実際に料理を作る板長さんと話しながら、決めていきます。 どれひとつ同じ形はないので、それを考えるのが楽しいです。 あとは、一番大事にしているのは、作りたいという意欲をいかに維持するかということです。ものづくりは、自分の心の状態に影響されると思います。特に心のエネルギーが減っていると無理してもいいものはできないので、今、自分の心のエネルギーがどんな状態にあるのか自覚できるように気をつけています。 ガラスを通して自分自身と向き合ったり、人とのコミュニケーションの一部にしているかもしれないですね。 芸術家や職人というよりは、「生みの親」という気持ちでやっています。若い頃は、楽しいことは割とポジティブなことだけを含めて言っていると思っていた。 ガラスを始めてから楽しいの中にはキツイことも含むんだなって。楽しいと思えなければ続けられないんだなって思います。 ガラス作家、江本三紀

ずっと作り続けたい。という願い

もともと「作りたい」がエネルギー源なので、作り続けるということだけは曲げずに歳を重ねることで、何のためには作るかは変わるかもしれないけれど、ひたすら作っていけるような気持ちを維持していきたいと思っています。 キレイなことは言えないけれど、余分な欲を持ちたくないですね。 余裕があると自分の本音ってわかりにくいんです。 常に自分のギリギリの状況にして、自分が何を一番欲しているか感じ取ろうとしていて、その中でモノを作り出せるということが私にとっての満足感。一番怖いのは、お金がなくなることよりも病気になることよりも、作りたいという意欲がなくなること。続けることが難しいとわかってきたので、特別なことをするんではなくて、毎日をどれだけ丁寧に過ごすか。それにつきると思います。 自分という個人にこだわらず、自由に楽しんでいきたいです。

料理が手元にくるまでのストーリーを楽しんでもらいたい

器としてのガラスは光の屈折で料理が美味しく見えます。反面、かっこいいものは手入れが大変だったり、持ちにくかったり、扱いにくいという面もありますが、整ってないからこそ、そこにあるたのしさを感じてもらえればと思います。 毎日の食事にちょっと贅沢を器として使いたいって思ってもらえたり。食べに行きたい、とか思っていただけたら嬉しいです。 そして、料理が入って手元に来るまでのストーリー、それが情景にできてら素敵だなと思うんです。ガラスにしか出せない透明度を1番大事にしてるので、ぜひ見つけてください!

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